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結晶多形の基礎・評価法と晶析工程での制御・スケールアップ

7月開催 医薬系セミナー  更新日:2019年6月 4日
 セミナー番号【908111】8/5 講師3名
☆ いかに安定系結晶を得るか? 結晶多形が物性に与える影響とは?
スケールアップの過程で、目的とする結晶を作り分けるためのコツとは? 

結晶多形の基礎・評価法と晶析工程での制御・スケールアップ


■ 講師
【第1部】 
スペラファーマ(株) 製薬研究本部 主席研究員 山野光久 氏

【第2部】 国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 
医療応用ソフトマターグループ グループリーダー/主席研究員/工学博士
筑波大学大学院数理物質科学研究科 物質・材料工学専攻 教授 併任
  川上亘作 氏
【第3部】 (株)三和ケミファ 医薬品事業部 統括本部長 丸橋和夫 氏
■ 開催要領
日 時 :
2019年8月5日(月)10:00~17:00

会 場 : [東京・五反田] 日幸五反田ビル 8階 技術情報協会 セミナールーム
聴講料 :
聴講料 1名につき60,000円(消費税抜き/昼食・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき55,000円〕

※定員になり次第、お申込みは締切となります。


プログラム

【10:00~12:00】  
【第1部】 結晶多形/結晶転移の基礎と制御

スペラファーマ(株) 製薬研究本部 主席研究員 山野光久 氏

 
【講座主旨】
医薬品をはじめとして、新規な有機化合物の研究開発を進める際には、結晶多形現象に遭遇することが多い。しかし、この分野は学際領域でもあるので体系立てて学習するための成書も多くはない。そこで本講では、まず結晶多形現象の基礎について概説し、特に結晶多形現象を考察する上で重要な結晶核の生成に関する考え方を紹介する。次に、開発形結晶を選定するためのスクリーニング技術の現状や安定形結晶に対する考え方について述べる。さらに、新規化合物を開発する過程でのlate-appearing polymorphやdisappearing polymorphの事例を紹介し、どのようなトラブルにつながるかを述べ、その対応についても触れる。

【講座内容】

・結晶多形現象の基礎

・核生成理論

・結晶多形の重要性

・結晶多形スクリーニングの現状

・いかにして安定形結晶を得るか

・disappearing polymorphの歴史的事例

・late-appearing polymorphの事例とその対応

・結晶多形の伝播現象

・結晶化における臨界核の考え方

・two-step nucleationについて
【質疑応答】
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【12:45~14:45】
【第2部】 結晶多形の評価法と物性への影響

国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 
医療応用ソフトマターグループ グループリーダー/主席研究員/工学博士
筑波大学大学院数理物質科学研究科 物質・材料工学専攻 教授 併任  川上亘作 氏

 
【講座主旨】
医薬品開発過程において遭遇する結晶多形の問題は、教科書に書いてあるような単純なものではないことが多い。その理解と解決のためには、評価の背景にある理論をふまえ、化合物の物性に応じた適切な評価法を選択し、得られた結果をみて総合的に判断しなければならない。本講座においては、各評価法の背景にある熱力学を数式を用いずに簡単に解説したのち、評価法の詳細やコツについて説明する。また結晶多形が物性に与える影響についても解説する。

【講座内容】

1.結晶多形の熱力学的背景

2.結晶多形が物性に与える影響:外観、晶癖、溶解度、吸湿性、安定性、経口吸収性

3.分光学的手法による結晶多形評価

4.溶解度による結晶多形評価

5.熱分析による結晶多形評価

6.熱力学的転移温度とみかけの転移温度

7.Burger and Rambergerの法則

8.溶媒媒介転移

9.熱力学的転移温度の決定法

10.水和物

11.結晶多形の評価事例

12.まとめ

【質疑応答】
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【15:00~17:00】
【第3部】 晶析工程における結晶形制御・作り分けとスケールアップ

(株)三和ケミファ 医薬品事業部 統括本部長 丸橋和夫 氏

 
【講座主旨】

晶析とそれに続く固液分離(濾過)は化学製品の製造ではごく普通に行われる操作である。晶析プロセスでは不純物とともに、結晶の物理特性を管理して目的とする結晶を製造する必要がある。物理特性の制御がうまくできなければその後の固液分離(遠心脱水)工程や品質に影響を及ぼすことがある。例えば濾過性の悪い結晶は精製効果が得られず、品質だけでなく作業性にも影響が出る。逆に濾過性のよい結晶でも、溶媒和物、水和物が生成すれば乾燥工程に影響する場合がある。本セミナーでは,晶析に関する基本的な事項、注意点を説明した後、具体的な事例を参考にスケールアップの過程で遭遇した結晶多形、類縁物質、溶媒和物、水和物等、晶析が絡む種々の問題点を説明し、更にどのように解決して商用生産に至ったかを実験方法も含めて解説する。

【講座内容】
1.晶析に関する一般的事項
 ・晶析工程の原薬、化学品製造における位置付け
 ・晶析工程の実際
 ・晶析の注意点 (事例を基に)

2.結晶化工程がスケールアップ可能か実験室で確認する方法 (例)
 ・問題点と解決策(考え方)、注意点
3.濾過性の悪い結晶の対応法:どのような改良をして商用生産に移行したか。
 (いくつかの実例を参考に)
4.結晶多形の管理、類縁物質の管理
 ・安定型+準安定型の混晶が得られた場合の対処法
 ・その他(事例を参考に)

5.溶媒和物(水和物)の考え方
 ・溶媒和物の脱溶媒和法、水和物の脱水法・・・いくつかの事例、経験から
 ・実験室で簡単に評価できる方法(いくつかの実例を参考に)
6.スケールアップ、スケールダウンの考え方
 ・効率的な実験方法、注意点

【質疑応答】

 
講師略歴

川上亘作 氏

学歴・職歴
 昭和63年4月 ~ 平成4年3月 京都大学工学部化学工学科
 平成4年4月 ~ 平成6年3月 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻
 平成4年7月 ~ 平成4年9月 ドイツ国ドルトムント大学化学工学科
 平成6年4月 ~ 平成17年3月 塩野義製薬(株)研究所
 平成12年3月 工学博士(京都大学)
 平成13年8月 ~ 平成14年7月 米国コネチカット大学薬学部 客員研究員
 平成17年3月 ~ 平成18年12月 万有製薬(株)研究所
 平成18年12月 ~ 物質・材料研究機構
 平成30年2月~ 筑波大学大学院数理物質科学研究科 教授

専門分野
 物理薬剤学(非晶質、結晶多形、DDSなど)、熱測定、コロイド・界面化学

受賞
 平成13年 日本薬剤学会第16年会 最優秀発表者賞
 平成16年 日本薬剤学会奨励賞
 平成21年 日本熱測定学会奨励賞
 平成24年 日本薬剤学会 旭化成創剤研究奨励賞
 平成30年 日本薬剤学会 製剤の達人
 令和元年 日本薬剤学会 優秀論文賞

主な著書(いずれも共著)
 Hydrocolloids (Elsevier) 2000年  界面ハンドブック(エヌ・ティー・エス)2001年
 界面と界面活性剤(日本油化学会)2005年  現代界面コロイド化学の基礎 第3版(丸善、編集)2009年
 熱量測定・熱分析ハンドブック 第2版(丸善)2010年
 難水溶性薬物の物性評価と製剤設計の新展開(シーエムシー出版、監修)2010年
 医薬品開発における結晶多形の制御と評価(シーエムシー出版、監修)2011年
 Manipulation of Nanoscale Materials (RSC Publishing)  2012年
 Advances in Organic Crystal Chemistry: Comprehensive Reviews 2015 (Springer) 2015年
 Encyclopedia of Biomedical Polymers and Polymer Biomaterials, 1st Ed. (Taylor & Francis) 2015年
 Nanomaterials in Pharmacology (Springer) 2015年
 Drug Delivery and Targeting: Fundamentals, Applications and Future Directions (Taylor & Francis) 2016年
 難水溶性薬物の経口製剤化技術最前線(シーエムシー出版、監修)2016年
 熱分析 第4版(講談社)2017年  
 Handbook of Thermal Analysis and Calorimetry "Recent Advances in Techniques and Applications", (Elsevier) 2018年  他