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高分子絶縁材料の劣化破壊機構、その抑制と絶縁性向上技術

7月開催 電気系セミナー  更新日:2019年6月 4日
 セミナー番号【907415】7/26 講師4名
★熱的劣化、部分放電のメカニズムと放電劣化のメカニズムを徹底解説!
★薄肉絶縁材に求められる特性とは? ナノフィラー添加、
アロイ系の相分解による特性改善手法を詳解!

高分子絶縁材料の劣化破壊機構、その抑制と絶縁性向上技術


■ 講師
1. 芝浦工業大学 工学部 電気工学科 教授 工学博士 松本 聡 氏
2. 東京都市大学 工学部 機械システム工学科 教授 工学博士 田中 康寛 氏
3. 山形大学 大学院理工学研究科 有機材料システム専攻 客員教授 井上 隆 氏
4. 兵庫県立大学 大学院工学研究科 電気物性工学専攻 教授 工学博士 永田 正義 氏
■ 開催要領
日 時 :
2019年7月26日(金) 10:00~17:00

会 場 : [東京・五反田] 技術情報協会 8F セミナールーム
聴講料 :
1名につき60,000円(消費税抜き・昼食・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき55,000円(税抜)〕


※定員になり次第、お申込みは締切となります。


プログラム

【10:00~11:30】

1.高分子絶縁材料の絶縁劣化と電磁波による部分放電の検出

芝浦工業大学 工学部 電気工学科 教授 工学博士 松本 聡 氏

 
【講座概要】

機器の小型高性能化により、動作電圧の高電圧化、ならびに高密度化が進展している。この結果、機器内部の電界は高くなる傾向にある。また、インバータ駆動による回転機の増加はインバータサージに対する新たな絶縁技術の知識が必要不可欠になっている。
本講義では、放電現象や部分放電の発生メカニズム、また部分放電の検出法、特に電磁波の発生メカニズムと計測原理を説明する。
特に、電極や材料表面からの電子放出とこれに続く放電メカニズム、微小な欠陥による高分子材料の部分放電発生と、絶縁材料の放電劣化メカニズムについて解説する。
また、形状設計や隣接する機器との位置関係により電界が大きく変化するため、絶縁設計のポイントを紹介する。
さらに部分放電からの放射電磁界検出に関する最新動向を紹介する。


1.絶縁材料の概要
 1-1 絶縁材料の種類
 1-2 固体絶縁材料の種類と特徴

2.ナノ電気電子材料の基礎
 2-1 数密度
 2-2 物質の構造と電子状態
 2-3 化学結合

3.高分子材料の劣化メカニズム
 3-1 劣化要因と劣化モード
 3-2 高分子の自動酸化メカニズム
 3-3 放電による劣化
 3-4 高分子材料の劣化防止

4.部分放電から発生する電磁波の検出
 4-1 部分放電パルスの特徴
 4-2 部分放電電磁波の検出方法

5.マグネットワイヤ絶縁と部分放電試験
 5-1 インバータサージ
 5-2 部分放電とトリーイング現象
 5-3 マグネットワイヤの部分放電発生メカニズム
 5-4 部分放電測定法と技術的課題


【質疑応答】
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【12:10~13:40】

2.高分子絶縁材料のフィラー複合化による直流絶縁性の向上

東京都市大学 工学部 機械システム工学科 教授 工学博士 田中 康寛 氏

 
【講座概要】

直流高電圧機器のみならず、高電界下における絶縁性の向上は、あらゆる電気電子機器を新たに買いはする上で重要な要素となってきます。特に、高分子絶縁材料の高温・高電界下における絶縁破壊特性は、機器の寿命や信頼性を左右する重要な要素ですので、その改善方法を学ぶことは、今後、新たな機器開発に必要不可欠となります。


1.直流高電界下の高分子絶縁材料の電気的特性
 1-1 高分子の高電界現象
 1-2 絶縁破壊現象
 1-3 劣化現象
 1-4 空間電荷蓄積現象

2.空間電荷分布測定方法
 2-1 パルス静電応力(PEA)法
 2-2 PEA法の測定例
 2-3 電流積分電荷法(Q(t)法)の原理
 2-4 Q(t)法の応用例

3.直流高電界下における高分子絶縁材料の問題点
 3-1 HVDCケーブル用絶縁材料の問題点
 3-2 高電圧機器のモールド用絶縁材料の問題点
 3-3 モータ巻線被覆用絶縁材料の問題点
 3-4 半導体封止材料の問題点

4.ナノフィラー添加による空間電荷の蓄積特性改善
 4-1 ケーブル用絶縁材料(ポリエチレン、ポリプロピレン)のナノフィラー添加による特性改善
 4-2 モールド用絶縁材料(エポキシ)のナノフィラー添加による特性改善
 4-3 巻線被覆材料(ポリイミド)のナノフィラー添加による特性改善


【質疑応答】
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【13:50~15:20】

3.高分子アロイ系の反応誘起型相分解による高性能絶縁材の設計

山形大学 大学院理工学研究科 有機材料システム専攻 客員教授 井上 隆 氏

 
【講座概要】

大型変圧器の絶縁塗装(エポキシ樹脂エナメル)が本講内容のルーツであることを最近知った。その時点では反応誘起型相分解という用語さえ無かった。その後、背景となる科学技術が確立されるとともに、次第に応用範囲が広がっていった。同じ原理原則にそって、ミクロな半導体パッケージから自動車・航空機などの大型構造物まで実に様々な新材料への展開に及んでいる。


1.反応誘起型相分解とは
 1-1 多成分系の相図
 1-2 温度ジャンプによる相分解
 1-3 反応によって誘起される相分解
 1-4 相分解過程での構造形成:航空機用CFRPを事例として

2.半導体チップのダイボンド材
 2-1 高集積化のための薄膜化(<10μm)
 2-2 薄肉絶縁材への要求特性:高接着性・耐機械的ショック特性・熱応力の緩和特性
 2.3 アクリルゴム/エポキシ系の反応誘起型相分解
 2-4 構造形成と物性:高接着と熱応力緩和の両立
 2-5 接着破壊メカニズム

3.大型コンピュータ基板への応用
 3-1 低誘電率・低誘電損失・高耐熱変形性樹脂としてのPPE
 3-2 多官能性モノマーによる熱可塑性
 3-3 熱硬化と射出成形
 3-4 交互侵入ナノ構造と耐熱性

4.自動車のマルチマテリアル化への応用展開
 4-1 熱可塑性CFRPの開発によるマルチマテリアル化
 4-2 PP系CFRPとアルミニウムの接合


【質疑応答】
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【15:30~17:00】

4.高分子絶縁材料の電気・熱的劣化特性の測定、評価技術

兵庫県立大学 大学院工学研究科 電気物性工学専攻 教授 工学博士 永田 正義 氏
 
【講座概要】

最新パワーエレクトロニクス技術による省エネと高効率化に優れたインバータ駆動モータが電気製品や産業機器用モータだけでなく、電気自動車など幅広い市場で開発・実用化され、急速に生産が拡大している。しかしながら、電動化によりインバータ電源から高サージ電圧が発生する。そのため、モータ内に使われている高分子絶縁材料が電気的・熱的に劣化することにより、絶縁破壊に至るトラブルが起きている。その対策として、サージ電圧に対して部分放電が発生しにくい、または発生しても劣化しにくいモータ巻線、絶縁フィルムやワニスの開発がなされている。本講演ではそれらに使われている高分子絶縁材料の電気的・熱的試験方法について紹介し、その絶縁性能の劣化メカニズムや計測値のばらつきの要因について解説を行う。


1.はじめに
 1-1 各種用途の高分子絶縁材料の絶縁劣化と破壊の課題
 1-2 高分子絶縁材料の電気的・熱的特性

2.モータの電気的・熱的劣化の要因
 2-1 部分放電によるモータ絶縁材料の電気的劣化の要因
 2-2 電気的劣化の主要因である部分放電とは何か?
 2-3 部分放電発生の予測
 2-4 熱的劣化による部分放電開始電圧の低下

3.高分子絶縁材料の絶縁寿命特性
 3-1 モータ絶縁材料の寿命特性
 3-2 絶縁劣化の各種要因とメカニズム

4.高分子絶縁材料の絶縁劣化特性の計測法
 4-1 電気的・熱的特性の計測法
 4-2 電源と計測機器

5.高分子絶縁材料の絶縁評価試験の実例紹介
 5-1 試験サンプルの最適化
 5-2 交流とインパルス電圧波形による絶縁評価試験
 5-3 部分放電開始電圧の温度特性の計測
 5-4 計測値のばらつきの要因に関する検討

6.まとめと今後の課題

【質疑応答】